相手に自分といると楽しいと思わせたい。
相手に機嫌を直してほしい。
高い集中力を発揮して仕事をしたい。
そんなことが自由自在にできたらいいですよね。実は、この記事で紹介するアンカリングという心理テクニックをうまく使えばできてしまうんです。
アンカリングとアセンブラを使ったテクニックは他の記事で紹介しましたが、この記事ではアンカリングに焦点をあてて解説します。
アンカリングとは
アンカリングとは、五感(見る、聞く、触る、嗅ぐ、味わう)をトリガーにして、ある感情や記憶を呼び覚ます経路を作ることです。
ちょっと分かりにくいですね。例を使って説明します。
世界的なサッカー選手クリスティアーノ・ロナウド選手は、フリーキックを蹴る際に特徴的なポーズを取ります。
Cristiano Ronaldo's last 4 free-kick goals have come in a game when he's scored a hat-trick. #HalaMadrid pic.twitter.com/Wx0xjerpyN
— TheCRonaldoFan (@TheCRonaldoFan) 2016年4月14日
観たことがある人も多いと思います。仁王立ちのポーズですね。
ロナウド選手は凄まじい量の練習をこなすことでも有名で、フリーキックの練習も長時間行います。
練習中にも毎回このポーズをとってから蹴ります。このポーズを毎回とることで試合中も練習中と同じようにリラックスした良い集中力を持ってボールを蹴れます。
つまり、仁王立ちのポーズをとることが良い集中力を生み出すトリガーになるように、何度も繰り返すことで脳内に回路を作っている(アンカリングをしている)のです。
イチロー選手のこのポーズも同じですね。アンカリングによって集中力を高めています。
クリスティアーノ・ロナウドもイチロー選手も、日常生活ではしないような特徴的なポーズをとることで、分かりやすくアンカリングしています。
このように、アンカリングは精神を安定させ集中力を高める効果もありますが、逆に興奮させたり、悲しませることもできます。
相撲を取る前に行う高見盛のロボットのような動きや、朝青龍がまわしを一度パァン!!と叩く動きなども、体を興奮させて怪力を出すためのアンカリングです。
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泣く芝居が上手な女優さんは「泣きの芝居をするときには必ず飼っていた猫が死んだ時のことを思い出す」という人がいます。
毎回同じシーンを思い浮かべて泣いていると、いつの間にかアンカリングされて、そのシーンを思い出せばいつでも涙が出るようになるのです。
泣けと言われればいつでも泣ける人は、上手にアンカリングを利用しているんですね。
同じ行動をしても真逆の感情を沸き上がらせることもできます。
日本を始め多くの国の人は頭を撫でられると褒められたと感じて喜びます。
これは幼い頃から子供を褒めるときに頭をよしよしと撫でるため、「頭を撫でられる=賞賛されている=嬉しい、照れる」とアンカリングされてポジティブな感情が沸き上がります。
一方、タイでは子供の頭には神が宿るとされているので絶対に頭を撫でることはありません。
タイで不用意に子供の頭を撫でると現地の人にめちゃくちゃ怒られます。
そのため、タイの人たちにとっては頭を撫でることは怒りの感情を湧き起こすアンカーになっているのです。
同じ動作でもアンカリングの仕方によって真逆の感情が生まれるわけです。
アンカリングするには反復が重要です。行動と感情を結びつけるように繰り返せば、脳内に新たな回路が作られてアンカリングできます。
アンカリングを恋愛で使う方法
ここまでのお話でアンカリングがどんなものかお分かり頂けたと思います。
では恋愛の場面ではどのように活用すれば良いのでしょうか。
恋愛の場合には、好きな相手に「行動と喜び」をアンカリングすると効果的です。
二の腕を使ったアンカリング
具体的にどうやるかというと、
「相手の感情が恋愛モードになったときや楽しんでいるときに二の腕に軽くタッチ」しましょう。
綺麗な景色を一緒に寄り添って眺めているとき、恋愛映画のロマンチックなシーンになったとき、次に行く旅行の話を楽しくしているとき、相手から「好きだよ」など愛情のメッセージを伝えられたとき、
このようなシチュエーションで相手の二の腕に軽くタッチしたり、トントンと軽く指で叩いたりします。
すると「二の腕に触られる=恋愛モードになる、嬉しくなる」というアンカーを相手の心に埋めることができます。
相手が無意識でもアンカリングはできますので、気づかれないように何度も繰り返してみてください。
アンカリングに成功すると相手の心をいつでも楽しい気分にさせることができます。
たとえば、ランチを食べに行ったけど行列に並ぶことになりました。
恋人は待たされてちょっと不機嫌になっています。
こんなときに二の腕を触ると自然に楽しい気持ちが湧いてきて、機嫌が直ります。
あるいは、1日デートしたけどイマイチ楽しめませんでした。
別れ際に「今日はありがとう。楽しかったよ」と言って軽く二の腕に触れば、恋人のちょっと落ちていた気分も上がります。
心理的には最後の気持ちが大切なのでここで楽しい気持ちになってもらうのです。
アンカリングによって、あなたと過ごした1日は楽しい1日だったと思ってもらえます。
声を使ったアンカリング
声を使ってアンカリングすることもできます。
相手の話を聞いていて、楽しい気分になったときには「そうなんだ!!」とか「うんうん!!」など言葉のイントネーションや声の高さ、大きさを変えます。
楽しいと思ったときにだけいつもと少し違う発声で喜びを相手に伝えます。
そうすると、相手は無意識で「この声を出しているときは楽しんでくれているんだな」と感じるようになります。
これもひとつのアンカリングです。
自分の好意を相手に伝えたいタイミングで使うようにすると、相手に的確に気持ちを伝えることができるようになります。
この技術はお笑い芸人さんがよく使っています。
ボケやツッコミのときに少し変わった言い方をして、お客さんに「今のがボケ」「今のがツッコミ」と分かりやすくタイミングを伝えています。
近藤春菜さんの「角野卓三じゃねーよ!!」「シュレックじゃねーよ!!」「ステラおばさんじゃねーよ!!」というときの発声は特徴的です。
大きな声でハッキリとした口調で、ほんの少しだけゆっくり言いますよね。
言い方でお客さんの無意識に笑うタイミングはここだと知らせています。
何度も聞いたことがある人は完全にアンカリングされているので、いつも面白い気持ちになるのです。天丼(何度も同じやり取りをすること)はまさにアンカリングです。
しかし最初の1回でスベるとこれは笑えないと認識されてしまい、その後何度同じやり方をしてもお客さんは笑えなくなります。天丼は諸刃の剣でもありますね。
子供の頃よく聞いていた子守唄を聞くと眠くなるという人もいますね。
今井美樹さんと布袋寅泰さんのお子さんは、今井美樹さんの名曲『PRIDE』を子守唄でいつも歌って聴かされていたので、大きくなってからも『PRIDE』を聴くと寝てしまうそうです。
「PRIDE=眠くなる」というスイッチが入るようにアンカリングされたんですね。
アンカリングについて、様々な例を使って説明してきました。
恋愛で相手の心理操作をするのにも使えますし、ここ一番の勝負どころで集中力を高めたいときにも使えます。人を笑わせることにも使えます。
有効活用するには何となくやるのではなく、ちゃんと意図を持ってアンカリングさせることが大切です。
私は仕事前に必ず1杯コーヒーを飲みます。
それがアンカリングされて、コーヒーを飲むと仕事をする気持ちに必ずなります。仕事モードへのスイッチをコーヒーで入れています。
アンカリングによって、心の切り替えを上手くできるようになりました。
みなさんもいろんな場面に応用して使ってみて下さい。
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