子供の頃、ご両親にこう言われたことがありませんでしたか?
「火事になるからマッチで遊んじゃダメ」
「ゲームは1日1時間だけね」
学校では先生にこう言われたはずです
「イタズラで火災報知器のボタンを押してはいけません」
「バスケットゴールにぶら下がったらダメ」
でも、ダメと言われるとやりたくなるってもんですよね。
私はこっそりマッチに火をつけて遊んだことがありましたし、火災報知器のベルも鳴らしました(笑)
ご迷惑をおかけしたみなさま、申し訳ございませんでした。
この禁止されると余計にやりたくなる心理、
『カリギュラ効果』の効果的な使い方をご紹介します。
ダメと言われるとやりたくなる心理『カリギュラ効果』
私は若手お笑い芸人のブルゾンちえみさんのネタが大好きなんですよね。
ブルゾンちえみ 『彼氏のお願いに仕方なく答えています』
このコントで「おーあーずーけっ!!」とブルゾンちえみさんが言っていますね。
じらされてイライラする2人の男性。
その後、栓を抜いてもらった男性たちは恍惚の表情を浮かべます。
これが『カリギュラ効果』です。
ちょっと分かりにくかったでしょうか(笑)
恋愛のワンシーンに出てくるカリギュラ効果
デートで例えると、男性が女性をホテルに誘う場面が分かりやすいです。
あの手この手で男性は女性をその気にさせようと努力します。押してみたり引いてみたり。散々いろんな手を尽くし、もう諦めようと思った時、
この一言で、もう有頂天ですね。
やったぜ落としたぜ。ガッツポーズです。
しかし、
男性にとっては天井から突き落とされる気分ですが、しかし次回はほぼ確実です。
今は女性のバイオリズムのために「おあずけ」されているだけです。
今日は強く禁止されたので我慢しなければなりませんが、未来に強く期待している心理状態。
これを『カリギュラ効果』と呼んでいます。
日本昔話の『鶴の恩返し』で、「隣の部屋は見ないでくださいね」と人間に変身した鶴がお爺さんに言う場面がありますが、そんなこと言われたら気になって覗いちゃいますよね(笑)
『浦島太郎』でも、乙姫が「玉手箱を絶対に開けないでください」と言って浦島太郎に渡します。しかし、浦島太郎は玉手箱を開けて老人になってしまいます。
このように大昔からカリギュラ効果は物語の中でも使われてきました。
カリギュラ効果と同じようなもので、『ロミオとジュリエット効果』という心理作用もあります。
ジュリエットが親から「あんな貧しい男とは付き合うな。お前とは身分が違うんだ。諦めろ」と言われると、逆に恋の炎に火がついてロミオのことしか考えられなくなるというもの。
禁止されることで、よけいに恋にのめり込んでいく心理ですね。
カリギュラ効果の由来
カリギュラ効果の名前の由来は、1980年の映画『カリギュラ』から来ています。
引用元:KINENOTE
この映画はポルノシーンが多く、アメリカのボストンでは上映禁止にされてしまいました。
「上映が禁止されるほどのポルノシーン」と言われたら、どんなものか気になりますよね。それが人間ってもんです。
ボストンに住む人々も同じように感じました。
どうしても観たくなった人々は、わざわざ隣の街まで映画を観に行きました。
禁止されたことで逆に人々の興味を搔き立てたんですね。
この事件から『カリギュラ』という名前が付けられました。
私が恋愛で使う「カリギュラ心理テクニック」
これは公開しようか迷ったんですが、せっかくこの記事を読んでくれたあなたにはご紹介しましょう。
ちょっと小悪魔的な恋愛手法なので、使うかどうかはあなた次第です。
恋人に自分の気持ちを伝えたり、好感を高めてもらうための方法です。
私が編み出したオリジナル手法なので実際に何度も使っていますが、かなり効果が高いですよ。
①携帯(スマホ)を使ったテクニック
まずは準備です。
スマホに簡単なメモや日記をつけておきましょう。
日常の他愛もないことや、ちょっとしたエピソードを書きます。
その中に、恋人にしてもらって嬉しかったことや、恋人のことを思いやっている自分の気持ちも書いておきましょう。
たとえばこんな感じ。
「今日彼女と行ったお店の食事は美味しかった。あのお店に彼女と2人で行けたことがとても嬉しかった。」
「彼女が職場の人間関係で悩んでいる様子だった。自分には大したことはできないけど、できるだけ話だけでも聞いてあげたいと思う。早く元気になってくれるといいな。」
長々とした日記を書く必要はありません。簡単なメモで十分です。
次に、恋人にこう言います。
「最近、スマホで日記とか日常の出来事をメモしているんだ。」
「読まれたら恥ずかしいから絶対見ちゃダメだよ」
で、スマホを自分の目の届かない場所など、そこらへんに適当に放置しておきましょう。
スマホを見ちゃダメと禁止された恋人は、カリギュラ効果が発動してあなたの目を盗んでこっそりスマホを見ます(笑)
日記を読んだ恋人はあなたの本心を知って、あなたに好感を持つどころか、あなたのことを裏切れないとまで思うようになります。
これはあなたの気持ちを直接言葉で伝えるよりも効果が高い方法です。
恋人に浮気される心配があるときにも効果的。
あなたが健気に恋人のことを思っている様子を日記に書いておきましょう。
「こんな良い人を悲しませるようなことはできない」と思って、浮気心を自制してくれるようになりますよ。
②第三者を使った心理テクニック
恋人と共通の友人がいる場合には、友人に「恋人への感謝の気持ちや好きなところ」を話しておきましょう。
そして友人には口止めします。
「彼女には言わないでね。聞かれたら恥ずかしいからさ。気を使わせたくないし。」
すると友人は恋人に必ず言います(笑)
友人の口からあなたの気持ちを聞いた恋人は、あなたの好意がとても心に響きます。
本人に直接言うよりも、人づてに伝えられると効果が高くなるんです。
これを心理学ではウィンザー効果と言います。
つまり、このテクニックはカリギュラ効果とウィンザー効果のハイブリット手法ですね。
マーケティングで使われるカリギュラ効果
「絶対に稼ぎたい。脱サラして成功したい。と本気で思っている人だけ登録してください」
「興味のない人は今すぐこのページを閉じてください」
「男子禁制」「女子禁制」
ネット上でこんな文章を読んだことはありませんか?
禁止されると、逆に興味が湧いてくる「カリギュラ効果」を利用した広告ライティングです。
もうお気づきの方も多いとは思いますが、この記事のタイトルもカリギュラ効果を狙ってつけています(笑)
雑誌の袋とじもカリギュラ効果をうまく活用していますね。
雑誌を買わないと見れない袋とじ。「どうせ大したものじゃないんだろう」と思いつつも気になりますよね。
好奇心に負けて雑誌を買い、袋とじを破る瞬間がたまりません。
でも、予想通り大したことは書かれていなかったりね(笑)
禁止されると見たくなる、好奇心を掻き立てられる、
カリギュラ効果を見事に使いこなしている例です。
カリギュラ効果を使ったマーケティング手法は他にもいろいろあります。
モザイクがかかっているとモザイクがかかっていない状態を見たくなる、
マジックミラーの向こう側が気になる、
企業秘密と言われると知りたくなる、
一見さんお断りと言われると行ってみたくなる。
あの手この手で購買意欲を揺さぶってきますね(笑)
人間の心は自由でいたい
カリギュラ効果が発動するのは、「自由でいたい」という根源的な欲望を私たちが持っているためです。
自由を奪われることは大きな苦痛です。
この苦痛は心理的リアクタンスと呼ばれています。
食事制限ダイエットが辛いのは食べること禁止されるため、
勉強が辛いのは他に今やりたいことがあるのにできないため、
刑務所が辛いのはあらゆる自由が奪われるためです。
カリギュラ効果はこの心理的リアクタンスを引き出すことで、行動を促す心理テクニックなのです。
他の記事で紹介した『ツァイガルニク効果』と似ていますが、少し違います。
ツァイガルニク効果は「中断させて焦らす」テクニックですが、カリギュラ効果は「禁止して焦らす」テクニックです。
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恋人をじらして惹きつける!!恋の駆け引きの心理テクニック『ツァイガルニク効果』
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ツァイガルニク効果もカリギュラ効果も、相手をじらすのに大変効果的な恋愛テクニックです。
ただし、下手な使い方をすれば相手の機嫌を損ねてしまう可能性もありますので、その点だけは気をつけましょう。
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