好きな異性と仲良くなれても、デートに誘うのは少し勇気が必要だったりしますよね。
異性とSNSや恋活アプリなどで知り合った場合には、なおさら難しいです。
実際に会ったこともない相手だと、誘うタイミングを間違えれば二度と会ってもらえないかもしれません。
好きな人に断られてしまって、それ以来疎遠になってしまったという経験がある方もいらっしゃると思います。
そんなあなたにぜひ知って欲しい心理テクニックが「ドア・イン・ザ・フェイス」です。
このテクニックを使えば、相手は気づかぬうちにデートに応じやすくなってしまうのです。
異性を誘うちょっとその前に。相手から信用されていますか?
2人きりのデートに誘う前に、確認しておくことがあります。
あなたは誘おうとしている相手から信用されているでしょうか?
食事に誘うにしても、遊びに誘うにしても、
2人きりで会う場合には一定の信頼関係が築かれていないと、どんな手を使っても断られてしまいます。
たとえば、
初めて入ったお店の店員さんがめちゃくちゃ魅力的だったとします。
あなたは店員さんに一目惚れしてしまいました。
そして、一目惚れしたその瞬間にその場でデートに誘ってみました。一緒に食事に行きませんか?と。
しかし、苦笑いをされてきっぱりと断られてしまいました。
こんな誘い方をしても失敗するに決まっていますよね(笑)
相手はあなたのことを何も知らないのですから、ヤバイ人だと思って怖がっていることでしょう。
相手からすればあなたは信用ゼロなんです。
今のは極端な例ですが、
職場や学校でも、ただの上司と部下、クラスメートという関係でしかないのに、いきなりデートに誘っても失敗する確率が高いでしょう。
貴重な休日を何とも思っていない人と過ごすのは嫌ですし、女性ならば男性に警戒心も持ってしまいます。
せめて誘う相手といつでも気軽に雑談できる間柄くらいにはなっておきましょう。
お互いの家庭のことや趣味のことなどを楽しく話せるくらいの関係になっておけば、2人きりの食事デートくらいなら誘える下地が出来上がります。
デートに誘う前に、相手から信用されていることが重要です。
ここからは相手から信用されているという前提で、断られにくい誘い方を紹介します。
まずはデートに誘うタイミングのお話から。
デートに誘うタイミングは「疲れている時」
デートに誘うのに最高のタイミングがあります。
それは相手が疲れている時。
モンマス大学が行った心理実験では、
ストレスが非常にかかる作業をした後にデートに誘われた人と、普通の作業ををした後にデートに誘われた人では、
ストレスが非常にかかる作業をした後の人の方が、よりデートの誘いに応じやすいことが判明しました。
これは「ウィルパワー」と呼ばれる心の体力が作用していると考えられます。
※ウィルパワー
心理学者ロイ・バウマイスターが提唱した「意志力」のこと。「脳の体力」とも呼ばれている。
行動したり、判断したりするためのエネルギーで、1日中使っていると減っていく。栄養のある食事や十分な睡眠を取ることで回復する。
人間の精神力には限界があります。
1日のうちに耐えられるストレス量はあらかじめ決まっています。
ウィルパワーはストレスがかかるとどんどん失われていき、なくなってしまうと休息を取って回復する必要があります。
過労で鬱病になる人は、毎日ウィルパワーがカツカツの状態で働き続けてしまったんですね。
心のガソリンがなくなった状態で無理に動いていたので、故障してしまったんです。
話がそれましたが、
ウィルパワーがカツカツになくなってくると、判断力が鈍ります。
すると、脳が勝手になるべくストレスのかからない判断をしようとするんです。
何かの判断をするときに「No」と言うのはパワーが必要です。否定するのは脳が少し頑張る必要があります。
「Yes」と言ってしまえば脳にとって楽ちん。面倒なときに「はいはい分かりました」と言って適当に受け流すことがありますよね。あれは楽だからです。パワーがいりません。
このような理由から、
疲れている時にデートに誘われると「Yes」と言いたくなる心理になっているんです。
仕事の後、試験の後、スポーツで肉体を追い込んだ後、
こんなときにデートに誘えば、素直に応じてくれる可能性が高くなります。
では、次にどんな言葉で誘えばいいでしょうか?
会話の心理テクニックを紹介していきます。
まずは、ドアインザフェイス。
ドア・イン・ザ・フェイスとは?
アメリカの心理学者チャルディーニの行った実験があります。
チャルディーニは大学生を集めてこう言いました。
「これから2年間、毎週2時間ずつ無料のカウンセリングをしてくれないか?」
こんな面倒なことを言われては、誰も話に乗っていきません。大学生たちはみんな断りました。受け入れたのはわずか17%でした。
チャルディーニは続けました。
「では、1日だけお願いしたい」
すると、大学生たちの半数以上が受け入れました。
2年間も毎週拘束されるのはとても受け入れ難いですが、今日だけならまあいいかと大学生たちは思ったのです。
このように、最初に大きな要求をして断られたら、次に本命の小さな要求をすると、相手は応じやすくなります。
このテクニックは「ドア・イン・ザ・フェイス」と呼ばれています。
「ドアインザフェイス(door in the face)」という言葉の意味ですが、営業マンが訪問販売したときに「顔の目の前でバタンとドアを閉められる」イメージからこの名前がつけられています。最初の要求は断られるための捨て駒ですが、その断られた瞬間をイメージしてつけられた名前ですね。
(逆に、最初に小さな要求をしておいて、徐々に大きな要求をしていくことをフットインザドア(foot in the door)と言います。訪問販売のセールスマンは実際にはこちらの方法をよく使います)
ドアインザフェイスとダブルバインドの合わせ技で、デートに誘う方法
ドアインザフェイスは私も実際によく使う方法で、有効性が高いことを実感しています。
デートに誘う場面では、会話の流れや、相手の趣味・志向に合わせて、いろいろと工夫して使っていますが、
ここではわりといつでも使えそうな簡単な会話を例として紹介します。
断られる前提で旅行という難題を出しておいて、本命の食事に誘う方法です。
旅行は食事に誘うのためのフリとして入れているだけですね。
万が一、相手が旅行の話に乗ってきたらそれはそれでOKですし(笑)
ただこのフリはあまりにも大きいと「図々しい奴」と思われてしまう可能性もあるので、相手の性格に合わせてどのくらいのフリが適切なのか考えましょう。
「旅行」がフリとして大き過ぎるのなら、「今晩急に時間ができたんだけど、一緒に食事に行かない?」などハードルを下げると良いです。
それから、相手の好きな食べ物などをあらかじめリサーチしておいて、店を探しておけばなお良いです。
女性は「自分のために気を使ってくれた」と男性の優しさを感じますし、単純に美味しい物を食べたいという欲求も働きます。
ダメ押しにYESかYESで選ばせるダブルバインドという心理テクニックも使って、断りにくくしています。
ダブルバインドとは「2つの選択肢を提示することで、どちらかを選んでもらうテクニック」のこと。
NOという選択肢を提示しないことが重要です。
「今度の日曜か土曜、どっちがいい?」と尋ねることで、本来無数にある選択肢を2つにしてしまうのです。
約束の日は来週でも1年後でも好きな日を選べますし、やっぱり行かないという選択肢もあります。
そこで相手に他の選択肢もあることを忘れさせるために、こちらから選択肢を2つに絞ってしまうのです。
「AかB、どっちがいい?」と聞かれると、人間はAとBしか選択肢がないという錯覚を起こします。本当はCでもDでもNOでもいいのですが、他の選択肢があることを一瞬忘れてしまうんですね。
その錯覚を利用してYESという選択肢のみを選ばせる会話テクニックがダブルバインドです。
ダブルバインドはイエスセット話法と合わせて使うと効果的です。
詳しい解説は以下の記事を参考にしてみてください。
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初対面の人との会話が苦手なあなたを救う心理テクニック『イエスセット話法』
続きを見る
できれば実際に会って誘う
デートに誘うときは、できれば相手と直接顔を合わせて誘いましょう。
というのも、ドアインザフェイスやダブルバインドは、相手に考える隙を作らせない方が効果が高いからです。
普通の会話中に使えば、話のリズムでトントンとデートの約束が決まっていきますが、LINEやメールだと相手に考える時間が生まれてしまうので効果が薄くなります。
また人と直接顔を合わせている状態の方が断りづらいという心理作用も働きます。
恋活サイトなどで知り合った場合は、メールやLINE、電話などで誘うしかありませんが、できれば電話の方が相手に考える時間を与えないので効果的ですね。
また顔を見たこともない相手でも、声や話し方を聞くと信頼性がアップします。
モテる声や話し方についてはこちらの記事に書きました。
-
色気のある声と話し方でモテる!!心理学で声から印象を変える!!
続きを見る
ドアインザフェイスやダブルバインドなどの恋愛心理テクニックを自然に会話中に入れるのはある程度"慣れ"が必要です。
いきなり使おうとするとぎこちない言い回しになったりして失敗する可能性もあるので注意してください。
おしゃべりの中で自然に言える自信がない方は、あえてメールなどで文章を考えながら書いた方が不自然にならずに使えますよ。
言葉の使い方を工夫して、ハードルを下げる
デートというワードを使わない「フット・イン・ザ・ドア」
デートに誘われたときに「デートに行こうよ!!」と直球で言われると、少しいやらしさを感じる人もいます。
特にまだ付き合ってもない場合には、デートという言葉に抵抗を感じやすいです。
そこで、デートを他の言葉に変えましょう。
食事デートに誘いたいとき
「あそこのお店美味しいらしいから、一緒に食べに行かない?」
遊園地デートに行きたいとき
「○○ランドに遊びに行こうよ!!」
ショッピングデートに付き合ってほしいとき
「すこし買い物に付き合ってほしいな」
ドライブデートに行きたいとき
「今度○○まで車で行かない?」
どれもやっていることはデートなのですが、
言葉を変えるだけで"デートではなく遊びに行くだけ"と思ってくれるので、抵抗感を感じさせずに誘えます。
このテクニックは単純に言葉を言い換えているだけなのですが、
ドアインザフェイスとは逆の心理テクニックで「フット・イン・ザ・ドア」と呼ばれている方法です。
最初にクリアしやすい小さな要求をして、徐々に要求を大きくしていくという心理操作です。
たとえば、試供品や試食ってありますよね。あれはフットインザドアを使っているんですよ。
「無料なら使ってみるか」「無料なら一口だけ食べてみるか」と思わせて、まずは超低いハードルをお客さんにクリアさせます。
実際に悪い商品ではなかった、美味しかったと思えば、商品を買っても良いかなと思い始めます。
最初に誰でもクリアできる小さなハードルを用意することで、本来はクリアする気のなかった大きなハードルを飛ばせてしまうのです。
まだ付き合っていない関係性では「デート」という言葉は心理的なハードルが高過ぎるので、「遊び」とか「買い物」という言葉にしてハードルを下げましょう。
遊びに行ってみて、楽しかった、また遊びたいなと思わせることができたら、今度は「この人と付き合ったら楽しいかも」と思ってくれるようになります。
フットインザドアを応用して、「お願い!!今回だけ買い物に付き合って!!」というような言い方も時には効果があります。
あんまり乗り気でない相手に使いましょう。
優しい人なら「今回だけならまあいいか。頼まれちゃったし」と思って、OKしてくれることもあります。
相手の承認欲求を満たしてから、誘う
相手の承認欲求を満たすことで、気分よくデートの誘いに乗ってもらう方法もあります。
「ようやく休みが取れそうなんだ。次の休みの日にはあなたと遊びに出かけたいな」
貴重な休日をあなたと過ごすために使いたいと匂わせると、相手はそこまでして自分に会いたいのかと思います。
自分が非常に尊重されていると感じて承認欲求が満たされます。
自分を尊重してくれる人と一緒にいたいと思うのは自然な人間の欲求なので、デートの誘いにも応じてくれやすくなるんです。
「あなたと話をしているととても楽しいです。他の人とはこんな風に話せないから。今度お食事をしながら○○についてもっと詳しく聞かせてくれませんか?」
私にとってあなたは特別な人と思わせる言葉をかけるのも有効です。相手は承認欲求が満たされるのでご機嫌になります。
気分が良くなっているところですかさず「もっと話しをしたい」という口実で食事などに誘えば、すんなりOKしてもらえますね。
好意は素直に伝える
ところで、上記の2つの例のような誘い方は「好意があることを直接的に伝えている」と思いませんか?
こんな誘い方をされたら「この人、ひょっとして私に気があるのかしら?」と気づきますよね。
そうなんです。
好意は直接的に伝えるのが効果的なんです。
ニューパルツ州立大学が行った実験で「正直に自分の気持ちを伝えた方が好感度が高くなる」ことが分かっています。
裏表のない言葉で話す人は、相手に信頼されやすいんですね。
照れ隠しですこし遠回しな言い方をしたり、友達に頼んで代弁してもらったりすると、好感度が下がってしまうかもしれません。
好きだという気持ちは分かりやすく伝えましょう。
相手を尊重しない言葉は禁句
絶対に禁句なのは「暇だからどっか行かない?」「おごりで(割り勘で)連れて行ってよ」など。
これは好かれるどころか嫌われてしまう誘い方です。
誘った本人は軽いニュアンスにしようと思って使った言葉かもしれませんが、
相手からすれば「私と遊ぶのは暇つぶしなの?」「どっかってどこだよ」「こいつ金にがめついな」と感じます。
自分は軽く見られていると考えて、一気に冷めてしまう人もいるので気をつけましょう。
初デートはどこに行けばいい?
「初デートに誘いたいけど、どこに行けばいいのか分からない」と悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんなときにも、まず相手本位で考えるようにしましょう。
事前に相手が好きなものや興味のあることを調べておいたり、休日や空いている時間帯を確認しておけば断られにくくなりますし、
デート自体を楽しんでもらえるので、相手の記憶に残る初デートの印象が良いものになります。
たとえば、
まだ恋愛関係になっていない女性を振り向かせたいというときには、ランチや映画くらいがちょうど良いです。
というのも、女性はそれほど好きになっていない男性と夜に出かけたいとは思いません。
遠出もそれほどしたくありません。
となると、その女性の大好物をリサーチしておいて、美味しいと評判のお店のランチに誘えば、女性としては抵抗感が少なくなります。
女性は男性よりも食べ物への興味が強いので、大好物の名店ランチの写真を見せるとすぐにテンションが上がります(笑)
女性はビジュアルへの感度が高いので、行こうと思っているお店や場所の綺麗な写真も見せると効果的ですよ。インスタグラムなどを活用すると良いですね。
誘ってきた男性にまだ興味がなくても料理は食べたいと思って、デートに来てくれます。
男性はそこからが勝負ですね。彼女をできるだけ楽しい気持ちにさせてあげましょう。
男性を誘うなら趣味に関連するものが一番喜びますね。
たとえば、
競馬好きな男性を誘うなら「私、競馬場に行ったことがないから、一度行ってみたいな。ひとりじゃ行きにくいから連れてって」と誘ってみましょう。
競馬好きな男性は、週末になればとにかく競馬場に行きたくなるので、「え?競馬場でいいの?ラッキー!!」くらいな感じで喜びます。
「この子と付き合えば、競馬場デートでもOKなのか。いいな~」と勝手に妄想をしはじめるので、こんな男性は簡単に落とせます(笑)
何かの趣味に没頭している男性は、女性が思っている以上に趣味のことばかり考えています。まるで子供です。
「できれば同じ趣味を彼女も持ってくれたら良いのにな」と彼女に友達の役割も担って欲しいと期待しているので、その気持ちを狙い撃ちしましょう。
限定感のあるイベントに誘う
イベントに誘うのも効果的です。
花火、ライブ、お祭りなどですね。
というのも、イベントごとは期間限定だったり、もう2度と行われなかったりするので、希少性があります。
「今回行かなければ次のチャンスはない」と思わせることができれば、「じゃあ行ってみようかな」と重い腰を上げてくれます。
商品の売り文句でも「期間限定」「在庫限り」「非売品」「入手困難」などと言うことがありますよね。
あれも「買えるチャンスは今しかない」とお客さんに思わせることで購買意欲を刺激しているのです。
同じ心理を恋愛でも応用しましょう。
こんな感じで、会話の流れに乗せて紹介したテクニックを自然に使えば、相手はデートに応じてくれやすくなります。
自然に誘っているように見せかけて、実はちゃんと心理的な戦略を考えた上での会話をすることがポイントです。
感情のまま何も考えずにストレートな言葉を伝えることも時には大切ですが、いつもその手が通じるわけではありません。
相手の感情をつかむクレバーな会話をしましょう。
ちなみに初デートが終わったら、すぐにメールやLINEで「今日は一緒に過ごせて楽しかったです。ありがとう。」というメッセージを送りましょう。
これは利きます。
このメールも相手の承認欲求を満たす構造になっているので、初デートを楽しかった思い出として相手の記憶に残すことができます。
実際にはデートに多少不満があっても、最終的に残った感情が相手の思い出となるのです。
「喜んでもらえたんだ、良かった」「私も楽しかったな」とメッセージを読んだ相手は思ってくれるので、2回目のデートに誘ってもまたOKがもらいやすくなります。
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