「眉をひそめる」という言葉があります。
「不安や心配を感じたり、他人の嫌な行為に不快を感じて顔がゆがむ。」という意味の言葉です。
実はこの言葉、人間の心理を正確に言い当てています。
私たちは不安、心配、不快感を感じると無意識に眉間の筋肉を動かし、眉をひそめるのです。
この記事では、眉間の筋肉の動きを見ることによって、他人の感情が分かるという心理テクニックをご紹介します。
人は不快な気持ちになると、眉間にしわがよる
「初対面の相手に第一印象が悪く思われてないか?」
「会話している目の前の相手に嫌われていないか?不快にさせていないか?」
どんな人とコミュニケーションを取る場合でも、できるだけ良い関係を築いていきたいですよね。
初対面の相手だったり、ビジネス上のパートナーだったりすると、人間は大人の礼儀として不快な気持ちをできるだけ表に出さないようにします。
相手に不快感を抱いてもその場は我慢して、穏便に済ませます。特に日本人はそうしますよね。
しかし本心では「もう二度とこいつに会うものか」「この会社の商品やサービスは2度と買わない」とひっそり心に誓っていることもあります。
不快になってしまった相手の気持ちに気づかないままでいると、後々思わぬトラブルに発展するかもしれません。
相手が自分に対して嫌な気持ちになっていることをいち早く察知できれば、うまくリカバリーしてそのようなリスクことを避けることができます。
そんなときに役立つのが、相手の眉間の筋肉を観察するという方法。
眉間の筋肉は、不快な感情が生まれた瞬間に動きます。
意識的にポーカーフェイスを装って隠そうとしても、感情に対する無意識の反応の方が早いので隠しきれません。
例えば、受験の時。
難しい試験問題が出たら、無意識で眉間の筋肉が収縮します。
眉間にしわをよせて難しい顔をしながら問題を解いている学生の姿を見たことがありますよね。彼らはみんな意識して難しい顔をしているのではなく、無意識で難しい顔になっています。
悪臭を嗅いだ時にも思わず眉間にしわがよります。
映画などで残虐なシーンを観た時にも眉間がピクっと動きます。
怪我をするなど痛みを感じた瞬間にも眉間にグッとしわがよります。
このように、不快な感情と眉間の筋肉はダイレクトにつながっているのです。
このことは心理学者カシオッポが行った以下のような実験によって明らかにされています。
まず被験者に50枚のスライド写真を見せます。写真には人や物が写っており、被験者はその1枚1枚に対して、好きか嫌いかを判断します。
次に被験者の顔に電極をつけて筋肉の動きを観察しながら、さきほどの写真をもう一度見せます。
すると、好きだと判断した写真を見せた時に頬骨筋という筋肉が反応し、嫌いだと判断した写真を見せた時に皺眉筋という筋肉が反応しました。
また好き嫌いの度合いが大きいほど、筋肉も大きく反応したのです。
※頬骨筋(きょうこつきん)
唇の周りにある筋肉。上唇や口角を動かす作用があり、口元の笑顔を作る筋肉。
※皺眉筋(しゅうびきん)
眼瞼筋という目の周りの筋肉に含まれる筋肉。眉間にしわを作る作用がある。
もし、人と会話をしていて、一瞬、相手の眉間にしわがよったら、会話の内容に不快感を覚えた可能性が高いです。
たとえ相手が作り笑いをしてごまかそうとしても、眉間の筋肉の動きまではコントロールできません。
話し相手の眉間の筋肉が動いたことに気づいたら、謝って別の話題に切り替えるなどして、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
手の動きでも相手の気持ちが分かるノンバーバル行動
人間はボディーランゲージで身振り手振りを交えながら会話をしますが、無意識のうちに手が動いていることもあります。
これはノンバーバル行動(非言語コミュニケーション)といって、無意識で自分の感情をコントロールするために行います。
ノンバーバル行動の特徴を正しく知っておくと、相手の感情が手に取るように分かります。
例えば、
額やのどを軽く触ったり、こすったりするのは、不快感を感じたときに自然に出る行動。
営業マンがやってきた時に観察してみてください。
彼が長い時間をかけて商品を説明した後にこちらが買わないという素振りを見せると、彼は額を軽くさわったり、喉元に手を当てます。頑張って営業トークした労力が無駄になり不快感を感じているためです。今月のノルマの心配をしているかもしれません。
また女性の場合は、喉に手を当てると嘘をついていることも多いです。
頬や顔を触るのは、緊張をなだめるための行動です。
面接の前や、好きな人に告白する前など、無意識に顔や頬に手が伸びることがあります。
相手がなんとなく頬や顔を触っていたら緊張しているかもしれませんので、ユーモアを交えた会話をしたりして、緊張をほぐしてあげましょう。
ノンバーバル行動を利用して、相手の心を探ることもできます。
例えば、
「浮気してるよね?」とパートナーに尋ねたときに、パートナーが額やのどを触りながら「してないよ」と言えば嘘をついているかもしれません。
後ろめたさを感じたり、触れられたくない嫌な話題なので不快感を感じたりしている証拠です。
もう少し問い詰めて、さらに額やのどを触っていれば、かなり怪しいですね。
眉間の筋肉の動きや手の動きを観察して、話相手の気持ちをできるだけくんであげましょう。
そうすることで、円滑にコミュニケーションが進んだり、相手の不快感をすぐに消すことができます。
俺で良かったら相談に乗るよ
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