ドラゴンボールの孫悟空の声だけを聞くとどんなイメージを持つでしょうか?
明るくて活発。天真爛漫なイメージがする声ですよね。
悟空の声を担当している声優の野沢雅子さんは、他にもゲゲゲの鬼太郎の鬼太郎役や、ど根性ガエルのひろし役なども担当してきました。
野沢雅子さんが担当するキャラクターは、正義感が強く、心に邪悪なものがない役柄が多いです。
声優さんへの仕事のオファーは似たような性格的特性を持つキャラクターばかりとなることが多いです。
それは人間は声質を聞いただけでその人の性格を連想する本能を持っているため。
そのため、キャラクターのイメージに近い声質を持っている声優さんを起用しないと、「この声とこのキャラクターは合わない」という強い違和感を視聴者に与えてしまうのです。
逆にこの心理作用を利用すれば、
声や話し方を工夫することで、相手に好印象を残すこともできます。
色気は声や話し方に現れる
突然ですが「色気のある人とは?」と尋ねられたら、あなたはどんな人を連想するでしょうか?
白いシーツの敷かれたベッドに裸で横たわる女性に色気を感じますか?
セクシーやエロと、色気は別物です。
エロは服を着てしまえば消えてしまうもの。
色気は服を着ていても、そこはかとなく漂うものです。
色っぽい空気感。それが色気です。
ただ見た目が美しい人はたくさんいますが、色気まで漂わせる美しさを持っている人は数少ないです。
色気には内面的なもの、たとえば、知識、教養、上品さなどが含まれています。
その人が持つ内面性は、声や話し方にも出てきます。
では、どのような話し方をすれば色気をまとうことができるのでしょうか?
心理的な側面から考えてみましょう。
話し方は人のイメージを左右する
人の声質は、ある程度生まれながらにして決定づけられています。
頭部の骨格、声帯の形、唇の形などによって声質の個性が決まります。
そのため声質自体を変えることはかなり難しく、変えようとするとハードな訓練を必要としますので、声優さんのようにプロとして声を使うのでなければ、あきらめた方がいいです。
一方で、イントネーションやアクセントなど、後天的に作られるものもあります。
これは意識することで変えることが可能です。
一番わかりやすいのは方言。
同じ日本語でも、地方によってインショネーション、アクセント、話すスピード、発声などが大きく異なりますよね。
関西弁からは、元気で明るい印象を受けますが、けたたましくせっかちな印象も受けます。
明石家さんまさんのきつい関西弁が典型的。場を明るくするにはこれ以上ないほどのインパクトがありますよね。
九州や東北地方の言葉は、ゆったりとして柔らかい印象を受けますが、ぶっきらぼうでのんびりしすぎている印象も受けます。
『北の国から』で五郎を演じる田中邦衛さんは「素朴で誠実な男性」というイメージを視聴者に強く印象づけるため、どもった発声でゆっくりと喋ります。
さんまさんが「どうないせいっちゅうねん!?」と言うのと、
田中邦衛さん扮する五郎が「俺にどうしろと?」と言うのでは、まったく印象が異なります。
同じ内容の文章を話しても、話し方によってその人の印象はまったく変わってしまうのです。
関西弁をネイティブとしている人は、東京の人の話し方を聞くと「冷たい」「感情がこもってない」と感じることが多いそうです。
しかし統計調査を取ると、チームワークを大切にして他人に親切にすることが多いのは実は東京の人の方が多く、大阪の人は個人主義的な考え方の人が多いことが分かっています。
方言のせいで事実とイメージが真逆になっているわけです。
つまり、話し方を変えることで、相手に与える印象を変えることができます。
自分に色気をまとわせることだってできるのです。
余談ですが、
明石家さんまさんは奈良育ちで本来あれほどきつい関西弁を喋っていませんでした。
しかし芸能界に入った後、自分に個性をつけるために、意識的にきつい関西弁を話すようにしたそうです。
さんまさんはあの話し方を意識的に身につけたんです。
色気のある話し方=知性を感じさせる話し方
言葉使いは色気のある話し方をする上で、もっとも重要な要素です。
「超やべえ」
「うめーな、これ」
「めんどくせーし」
こんな言葉使いをする人に色気を感じる人はいませんよね(笑)
敬語を使えるのか、ボキャブラリーがあるのか、文学的な表現力があるのか、ユーモアがあるのかなど、知性は話し方に現れます。
例えば「感情的になっているから気持ちが抑えられない」というメッセージを相手に伝えたいとき、どんな表現をするでしょうか?
「マジ、ヤバイ。ヤバイヤバイ。」
「ダメ、泣きそう!!」
気持ちのままにこんな風に表現する人も多いと思います。
場合によってはこれが正解のこともありますが、知性は感じられませんよね。
色気にいたってはゼロです。
同じ意味の言葉をRADWIMPSの野田洋次郎さんは『なんでもないや』の中で、こう表現しています。
嬉しくて泣くのは 悲しくて笑うのは
僕の心が 僕を追い越したんだよ
THE BLUE HEARTS時代に真島昌利さんは『スクラップ』の中で、こう表現しています。
誰かが言った “がまんするんだ”
僕は叫ぼう “がまんできない”
もちろんこれは歌詞なので練りに練られた表現ではありますが、
さきほどの「ヤバイヤバイ」よりも、はるかに印象的で魅力的に聞こえますよね。
どことなく表現から色気も感じませんか?
私が常々すごいなと思っているのは宮崎駿監督の話し言葉です。
ボキャブラリーが豊富で、見事な表現を使ってお話をされるんです。
あるインタビューで、若者たちへのメッセージをお願いしますと言われた宮崎駿監督はこう答えました。
ゴミでも拾ってた方がいいんじゃないですか(笑)
こんな小さな穴から見える世間がありますよ
冗談まじりに「ちょっとしたことからも生き方や社会への気づきがあるよ」と伝えているわけですが、表現が粋ですよね。
とても抽象的な話を、とてもビジュアル感のある表現に変えています。
高い知性のある人にしかできない芸当です。私にはとてもとても無理ですね(笑)
知性をアピールするのは特に男性には重要なことで、女性は男性の知性に魅かれるというデータがあります。
話が面白い男性がモテるのも、面白いことを言える知性を女性が感じているからです。
冗談も言えない男に女性は知性を感じません。
女性も言葉使いが汚いとモテません。
「やべー」とか「うめー」などと、ついつい言っちゃう人は気をつけましょう。
男性は女性らしさを言葉からも感じたいのです。
心理実験が教える「好印象を与える話し方」
今度は、どんな風に話せば相手に好印象を与えられるのか、声色(こわいろ)の側面から紹介します。
アディントンという研究者が、人間の話す声色について調査を行っています。
男女2人ずつが話し方を変えて喋り、聞き手が相手に対して抱いた印象を調べました。
話し方は9種類を用意し使い分けました。
その結果、以下のことが分かりました。
・声の高い男性
優しくて美的に見える
・声の高い女性
明るく外交的に見える
・はっきりと話す男性
生き生きとしているが、高慢に見える
・はっきりと話す女性
活発だが、ユーモアがなく見える
・緊張した声色で話す男性
年齢よりも年を取って、頑固に見える
・緊張した声色で話す女性
若くて、感情的に見える
・鼻声で話す(男女とも)
印象が非常に悪い
この結果を見ると、
声が高い人は男女ともに好印象を与えられます。
逆に、
鼻声の人は男女ともに印象が悪くなってしまいます。
大切な人と合う前には、なるべく鼻の通りを良くして、少しだけ高い声で話すと良い印象を残せます。
少し意外な結果ですね。
よく声の低い男性に女性は魅力を感じると言いますが、実際には声の高い男性の方が魅力的に感じるという結果になりました。
このことは芸能界を見ても顕著に表れています。
芸能人は人気商売です。
できるだけ多くの人から好かれることが重要な職業です。
そんな世界で頂点に昇りつめたカリスマ性の高い人たちは、声が高い男性が非常に多いです。
明石家さんまさん、ビートたけしさん、萩本欽一さん、長嶋茂雄さんなど、みなさん声が高い人ばかりですね。
声が低い男性を好きな女性は自分のことが大好き!?
ここまでの話を読んで、
「いや、この話はおかしい。私は声の低い男性が好きだもん。」と思う女性もいるでしょう。
もちろん低くて男らしい声にセクシーさを感じる女性もいます。
男の私でも、福山雅治さんや玉木宏さんは顔だけじゃなくて、声もとても魅力的だと思います。
じつは、
声が低い男性が好きな女性は「自分のことを美人だと思っている」ということが実験から分かっています。
ノーベル賞受賞者を多く輩出しているスコットランドの名門校・アバディーン大学のブコビッチ教授がこんな心理実験を行いました。
85人の女性に被験者となってもらい、自分の容姿がどのくらいのレベルだと思うか質問しました。
その後、被験者たちに2人の男性の声を聴かせて、どちらが好きか尋ねました。
一人は声が高くて、女性らしさを感じる声。
もう一人は声が低くて、男性らしさを感じる声。
その結果、
自分を綺麗だと思っている女性ほど、低い男性の声が好きだと答え、
自分の容姿に自信がない女性ほど、高い男性の声が好きだと答えたのです。
自分のことを綺麗だと自信を持っている女性は、どちらかと言えば少数派です。
ほとんどの女性は自分の容姿を「普通くらいか、ちょっと自信がない部分があるな」と思っています。
ですから、声が低い男性が好きという女性もいることはいるのですが、意外と少ないんです。
一般的には高い声の男性の方がモテるという結論になるのには、こういった理由があったんですね。
モテたい男性は声の大きさも重要
アメリカのデイトン大学のチャールズ・キンブル博士が行った実験があります。
男女100人の被験者に対し、選択式の質問をし、そのときの声の大きさを測定しました。
すると、質問に対して自信がない場合の声の大きさは平均58.47dbで、自信がある場合の声の大きさは平均61.84dbでした。
人は自分に自信があるときは無意識で声が大きくなり、自信がない時は声が小さくなることが報告されたのです。
男性の場合は、自分に自信がない人は女性からモテませんし、男性からも弱い奴だと思われて信頼されません。
逆に、自分に自信のある男性は女性からモテますし、男性からも一目置かれるリーダー的存在になります。
声の大きさで自信があるかないかを判断されてしまいます。
普段から声が小さい男性は、女性から頼りなく思われたり、他人に見くびられたりしやすくなるので注意しましょう。
面接や商談のときも、声は大きい方が良いです。
自分に自信がある人は頼りがいがあるので一緒に働きたいと思われますし、人としても信頼されるので商談でもうまく話が進みます。
ここぞという場面では声の大きさにも気をつけてみましょう。
話し方ひとつで、人の印象は大きく変わってしまいます。
方言、表現力、声の高さ、口調、鼻声かどうか、声の大きさなど様々な要素が絡み合っています。
いきなりすべてを改善するのは難しいので、まずはどれかひとつにポイントを絞って改善してみましょう。
声が小さいといつも言われる人は、意識して大きくしてみる。
冷たいと言われる人は、イントネーションを京都弁を参考に変えてみる。
暗いと言われる人は、少しだけ高い声で話してみる。
言葉使いが悪いと言われる人は、敬語で話すようにする。
自分なりにいろいろと工夫して、色気のある人になりましょう。
芸能人で色気のある人と言えば誰かな?
結局イケメンだけど…
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